【FP試験】学習時間のない人の勉強方法
学習時間のない人の勉強方法
受験者の全員が潤沢な学習時間があるわけではありません。
中には土日しか学習時間が取れない人もいます。
そんな人のために効率的な学習をするにはどうしたらいいか、そのコツを紹介します。
1 ひたすら頻出問題だけを解く
テキストに書かれている論点を全部やる必要はありません。
私がセレクトした論点整理をやれば確実に合格できます。
FP試験の学科は60問中36問正解で合格なので、そのラインは楽々突破できます。
2 計算問題は頻出度に関わらずすべて学習する
学科でも実技でも計算問題が出題される項目は、頻出度が低くても必ず学習してください。学科試験より実技試験では計算問題は4点のポイントなので絶対外せません。
3 タックス分野・相続分野になるべく特化する
どの分野でも税務との関係を問う問題が出されます。
学習時間がない人もこの2つの分野だけは学習しておかないと合格は難しいです。
4 分野別時短学習法
(1)ライフ分野
ライフ分野は二通りの戦略があります。
①年金問題を捨てて公的保険問題・その他の問題に特化する
年金問題は複雑なので覚えるのには時間がかかります。中途半端に覚えるよりは潔く取っ払うのもありです。公的保険の問題は年金問題よりもボリュームが少ないので、こちらを特化すれば時短になります。ただし、実技試験の第一問は年金・保険関係の問題なので問1~問3までのうち、得点できる可能性は3点ないし6点以上は見込めません。最悪0点も覚悟してください。年金計算問題が出た場合は諦めてください。
②公的保険問題を捨てて年金問題・その他の問題に特化する
この戦略では、試験時の出題しだいで吉と出るか凶と出るかのリスクが大きいです。
年金問題が奇跡的に少ない時もあります。特に年金の大幅な改正があった場合は年金問題があまり出題されない可能性があります。公的保険は安定的に出題されるので捨て問題にするのはもったいないと思います。
(2)リスク分野
リスク分野の戦略は一つしかありません。
生命保険商品の特徴の問題は捨てることです。商品の種類が多いのでそれを一つ一つ覚えるのは非常に時間がかかります。ただし全部捨てるのではなく出題頻度が高いものだけに特化してください。損保は簡単なのでこれは外せません。
(3)金融分野
本当はこの分野は得点源になるのですが、この分野を苦手とする人が意外と多いです。
金融商品のうち出題頻度が高いのは投資信託>株式・預金>債券の順番になります。債券の問題を捨てても債券の利回り計算は外してはいけません。
2で書いた通り、計算問題は捨て問題にしてはいけません。金融分野は計算問題が必ず出題されるので、実技試験対策にもなります。
(4)タックス分野
タックス分野で捨て問題を作るのは自殺行為です。この分野は一番念入りに学習しないとポイントが稼げません。頻出問題を完璧にマスターすれば何とか6割以上は得点できるでしょう。
(5)不動産分野
不動産分野は出題傾向が一番明確な分野だと思います。出題頻度が高い問題をやるだけで7割は取れると思います。
(6)相続分野
相続分野は頻出問題をやるだけでかなりの高得点が期待できます。
相続や贈与に対しての税制特例はすべて完璧に覚えてください。
相続税額の計算問題は定番なので確実に解けるようにしてください。
5 ひたすら過去問をやる
学習時間がない人は一問一答でも構わないので多くの過去問をやってください。
ポイントを稼ぐためには頻出問題以外も得点の積み上げが必要になります。
上記で書いたこと方法は邪道ですが、どうしても学習時間が取れない人でもFP試験に合格できる可能性があるので、ぜひチャレンジして欲しいと思って書きました。
FP試験は他の試験と比べて簡単だと言う人がいます。それは否定しません。
バカにする人もいます。それも否定しません。
でもFP試験をバカにする人だって何も勉強しないで合格をするのは不可能です。
合格しても「勉強期間は1週間くらいで合格した」とか「簡単だった」とか言う人がいますが、合格した人は何とでも言えるのです。
【FP試験】過去問の活用方法
過去問の活用方法
どんな試験でも過去問の攻略は合格への第一歩です。
過去問は闇雲にやればいいというものではありません。
過去問を効果的に活用して合格にどう結びつけるか、そのコツを紹介します。
1 過去問のボリュームはどのくらいが適切か
よく何年前からの過去問が適切なのか迷う人もいると思いますが、少なくても5年前くらいの過去問は準備しておきたい。出題傾向を把握するのであれば10年分くらいの過去問を準備したいですね。10年分のデータで出題傾向の変化や出題頻度などを正確に知ることができます。
2 過去問はすぐにはやらない
大抵の人は過去問をテキストを見ながら解いていくスタイルだと思いますが、まずは過去問を分野別に分類してください。できれば論点別に分類するのかベストです。
最初から通しの問題をやるのは一番非効率です。
3 類似問題を解けば試験の傾向が丸分かり
類似問題を解いていくと問題の出題傾向がだんだん分かってきます。
過去問をひと通りやってみると、「またこの問題か」とややしつこさを感じてくるようになります。そう感じられるようになれば記憶が定着した証拠ですから知識がどんどん入っていきます。
4 問題慣れをしない
ある程度知識が定着すると類似問題を解く前に答えを想像しがちです。それはそれで悪いことではないのですが、問題をよく読まないで文中の一つの用語を見て「しめた!」と思って解答しないことです。問題のある一部分が間違っていたり、引っ掛けがないかよく見極める必要があります。せっかく正解できる問題も問題をよく読まないばかりに間違うのはもったいないです。
5 過去問は直近のものからやっていく
年代が古い過去問は法改正に対応していないものが多いので、解説内容が古い法令に基づいて出題されていることが多いです。過去問をやるなら直近の試験から取り組んでください。
6 実技試験の過去問は細分化せずにそのまま解いていく
学科は問題を細分化して類似問題を解いていけばいいですが、実技は説例からの流れもあるので細分化がなかなかできません。金財の実技試験では説例によって大体出題される問題が決まっています。出題傾向を把握する上でもあまり細分化せずにそのまま解いていったほうがいいでしょう。
過去問は合格への王道です。ただあまり古い過去問をやっても意味がありません。
最近の出題傾向も私が受験した頃とはだいぶ違ってきています。ほぼ各分野の論点が出し尽くしたと思ったら、その時点での過去問が適切なボリュームになります。
FP試験の分野別学習法 相続分野
FP試験の分野別学習法 相続分野
相続分野はとても難しいように感じますが、学習すればするほど理解度が増していきます。各項目の論点も明確なので一度覚えてしまえば正解を選ぶことはそんなに難しいことではありません。
相続と税金はワンセットになっています。学科問題をしっかり取り組めば、実技はほとんど対策なしで解けるようになります。どの項目も重要項目ですが、この分野でポイントを稼げば、合格は間違いありません。
1 捨て問題はほとんどない
相続分野はほとんど捨て問題がありません。敢えて3級では事業承継問題は捨ててもいいかもしれませんが、その他の問題は密接に関連性があるので捨てるにはもったいないものばかりです。結構覚えることは多いのですが、各項目が密接に関連しているので一番学習の成果が出やすい分野です。
2 相続に関する税務は難しくない
テキストを読むより過去問をどんどん解くことで自然と頭に入っていくと思います。
いきなりテキストを読んでもチンプンカンプンなので、過去問でどこが論点になっているのか意識しながらテキストを読んでいくと必要な部分が浮かび上がってくると思います。例えば相続時精算課税制度は、初めは全く理解できませんでした。テキストを読んでもよく分からなかったのですが、贈与税を学習した時に初めて「遺産の前渡し」であることが分かりました。贈与と相続の違いが分からなければ相続時精算課税は理解できないと思います。
3 民法の条文を読んでみよう
ある程度知識が深まったら民法の相続の規定を読んでみるといいでしょう。なるほどそうなのかともっと理解が深まります。問題でも民法の条文がそのまま出ることもあるので、ぜひ復習も兼ねて読んでみるといいでしょう。税務に関係のない項目はほとんどが民法の規定を中心として構成されていることが分かります。
4 相続財産の評価にはいろいろな方法がある
遺産には様々な形があります。現金のほかに土地などの不動産や株券などの有価証券、被相続人が生前持っていた様々な権利なども含まれます。それらを一定のルールに則って評価するのが税務署の役目です。どういうルールで評価するのかを覚えると相続税の計算をするときに役立ちます。
5 相続に関しては様々な特例がある
遺産を相続すれば必ず相続税が発生します。しかし、相続税が払えない場合はどうでしょうか。自宅を相続したが、相続税が支払えないので仕方なく売却をしたら住む家がなくなりますね。相続税を支払う前に様々な減免措置や特例を設けて相続税の支払負担を軽減する制度がたくさんあります。相続分野ではこの特例等をしっかりと学習することでかなりの問題に対応できるようになります。
6 相続税額の計算問題は設例の条件をよく読むこと
以前から「実技試験で問題を解く前に設例を読む必要はない」と言っていましたが、相続関係の問題では一番設例を見ないと解けない問題が多いです。計算に必要な数字や条件をピックアップしないと計算できません。ピックアップするスピードも大切です。
7 相続に関する税務以外はほとんどがサービス問題
法定相続分や遺言証書、遺留分など税務が絡まない問題はほとんどがサービス問題なので絶対正解できます。相続に関する基本的な事項なので、この項目から攻略していくのも効果的な学習につながると思います。
8 意外と理解しにくい贈与税
相続と贈与の違いを理解することから始めないと混同してしまうので、贈与税が課税されるケースと相続税が課税されるケースの違いを事例を追いながら学習するといいでしょう。私も学習開始当初は全く区別がつきませんでした。
9 事業承継問題は3級では唯一捨ててもいい
現段階での試験の出題傾向を見る限り、事業承継に関する問題は唯一捨ててもいいかもしれません。ただし、上位級ではポツポツと出題されるので、いずれはきちんと学習せざるを得ません。
FP試験では相続分野はタックス分野と並んで重要な分野です。この2つの分野で高得点を取れれば、合格圏内は間違いなく入れます。
FP試験の分野別学習法 不動産分野
FP試験の分野別学習法 不動産分野
不動産分野はたくさんの法律が絡んできます。
建築基準法、都市計画法、借地借家法、農地法、区分所有法、宅建業法、民法、税法など不動産に関わる多くの法律があります。その法律を全部覚えるのは不可能ですが、論点となる法律の条文には目を通しておくといいでしょう。
テキストのボリュームはさほど多くないのですが、暗記しなくてはならない論点が多いので、学習に時間がかかるかもしれません。出題パターンをよく覚えて対応してください。
1 不動産と税務の関係を丁寧に学習する
不動産を売った・買った・贈与した・贈与された・相続したなどの行為に対して、どのような税金が課税されるのか体系的に覚えていく必要があります。
不動産と税金の切っても切れない関係です。あらゆる行為で税金が課税されると言っていいでしょう。
例えば住宅を購入した場合、不動産取得税、登録免許税(土地や建物の所有権登記等)、住宅ローン控除、印紙税などの税金が関係します。
こういう経済行為にはどんな税金がかかるのか機械的に出てくるようになればしめたものです。それに特例等の適用の可否が組み合わせれば完璧です。
2 建ぺい率・容積率の計算問題
建ぺい率や容積率の計算問題では、与えられた設例に隠された数字を導き出すことが求められます。建ぺい率の緩和措置や角地による緩和措置、防火規制などの条件により見えない数字を見つけ出すのが解く鍵となります。特に実技試験ではこの計算問題が定番ですので、何度も類似問題を解いて理解を深めてください。
3 不動産所得の論点
不動産所得での論点は、損益通算、税法上認められる費用、総所得金額などいろいろな論点が絡んで出題されます。学科でも計算問題は出るのでしっかり学習しましょう。
4 借地借家法は複雑なのでしっかりと要点シートを作って暗記しよう
借地権や借家権は難しいので要点シートを作成して論点を整理して暗記しましょう。
3級でも結構難しい問題が出ます。結局は数字の暗記なのですが、その他特約なども覚えておかないと正解をゲットできないと思います。
5 不動産登記・契約不適合責任・土地の価格評価・区分所有法はサービス問題
これらの問題が出題されたら絶対得点しなくてはなりません。ほぼ論点は出し尽くしているので、ポイントを稼いでください。
6 建築に関する規制には要注意
建築に関する規制には様々なものがあります。それらが全部論点として出題されませんが、最近では日影規制や北側斜線規制など新しい問題も出題されています。
FP試験ですのであまり難しい問題は出ないと思いますが、用途地域との関係性をよく理解しておく必要があります。
7 不動産分野は掟破りの実技試験からチャレンジするのもひとつの方法
不動産分野の実技試験は、設例に図が用いられ、具体的な条件の下出題されるので、体系的に学習するのであれば実技試験からトライするのもひとつの方法です。
いろいろな論点が総合的に出題されるので、過去問をやった後は学科問題で知識の整理・確認が必要になります。
8 暗記が得意な人へ
不動産分野は唯一暗記が効く分野です。私は暗記が得意ではないので苦労しましたが、全分野の中で一番学習するのに手間取りました。過去問中心よりテキストを何度も読み込むほうが効果的な分野と言えます。
FP試験の分野別学習法 タックス分野
FP試験の分野別学習法 タックス分野
タックス分野はごまかしが効かない分野です。
この分野は満遍なく学習しないと得点できませんし、この分野の出来が合否の鍵を握っています。
この分野の攻略法は、本則と例外規定をきちんと整理することです。
法律で言えば、本則と但し書きを分けて覚えることになります。
例えば、自宅を売却した場合を考えると、どんなものに対して税金がいくらかかるのか、売却にかかる費用はどうなのか、売却に際に税金が安くなる方法はないのか、売却した時に損をした場合はどうするのかなど、どんな税務処理が適切なのか機械的に導き出せると解答がしやすくなります。
1 テキストの内容を自分なりにまとめてみる
よくサブノートは作らないという人がいますが、それも間違いではありません。
テキストも分かりやすくまとめるよう工夫はされていますが、如何せん自分がまとめたものではないのでいまひとつピンと来ない時があります。
私が取った方法は、テキストで書かれている税制の各種特例を1つのシートにまとめてみました。
まずは特例の適用となる要件等をまとめて原型を作ります。
そのシートを使って過去問を解いてみます。
シートに書き込んでいない内容が出題されると、解説をそのままシートに書き込んでいきます。
10回分くらいの過去問をやると、シート1枚の要点でほぼ対応できるようになります。あとはシートを見やすく整理すればオリジナルの要点シートが完成します。
コツは1枚のシートにコンパクトにまとめることです。
これで特例の要件はほぼ頭の中できれいに整理されます。
2 誰だって税金は取られたくない
税金は法律に基づいて申告すれば納税額を抑えることができます。脱税はいけませんが、法律で定められている方法で納税額を安く済ませることが可能です。
全部のケースで当てはまるわけではないですが、ほとんどのケースで何らかの減税や控除、特例の適用が用意されています。
まずは税金が安くなる論点から学習すると理解が進みます。
各種控除や特例措置から学習を始めるといいでしょう。
まずはこのあたりを取っ掛かりとして学習するといいでしょう。
3 タックス分野は学科・実技試験両方の対策になります
タックス分野をしっかり学習すれば自然と実技試験対策をしているのと同じになります。実技試験では税務との関係を問う問題が多く出題されます。よってタックス分野・相続分野・不動産分野で学習した各種税制に関する特例措置に絡めた問題に自然と対応できるようになります。学科でまとめたシートが活かせます。
4 テキストまたは要点シートと過去問の往復が鍵
私の経験上テキストで一番引いたのがタックス分野です。書き込みやアンダーラインも一番多いです。要点シートもほぼタックス分野のものだけです。まずは出題頻度の高い論点から取り組んで、問題が難なく解けるまでテキストや要点シートの往復をしてください。
特にタックス分野は出題頻度の高い論点から取り組むのが鉄則です。
5 国税庁のタックスアンサーから丸々出題されることがある
このブログでもお世話になっている国税庁のタックスアンサーですが、その文言がそのまま出題されることがあります。また税広報のパンフレットの図がそのまま使われていたりすることもあります。過去に確定申告書の書類に例示してある図がそのまま出題されたことがありました。また税務大学校が監修した本から出題されることもあります。
税務大学校は税金のプロを育てる機関ですが、初めからみんなプロではありません。そこで使用される教材からパクって出題されることがあります。時間がある方は目を通しておいて損はないと思います。
6 税制改正にどう対応するか
税制改正は毎年行われます。よってどこかは法改正になりますが、あまり気にすることはありません。最新のテキストであれば大丈夫です。
法改正は重要な論点であれば注意する必要がありますが、大した論点でない場合はそんなに気にしなくてもいいです。
7 ヤマ張りはしない
タックス分野でのヤマ張りは通用しません。「今年はこのあたりが出そうだ」という出題傾向を売りにしているブログがありますが、当たるか分からない問題をやるくらいなら、頻出問題をやったほうが間違いなくポイントが稼げます。
FP試験の分野別学習法 金融分野
FP試験の分野別学習法 金融分野
金融分野は貴重な得点源です。ぜひ満点を目指して他の分野で得点できなかったポイントをカバーしたいです。
経済の仕組みや一般的な経済的な論点は、学校で学習した社会科の延長です。金融機関のお勤めの方は、その他の専門的な問題も難なく解答できるはずです。
1 「株式投資指標の計算」・「債券の利回り計算」は完璧に覚える
毎試験必ず出題されます。どちらの計算式もしっかりと覚えましょう。
実技試験でも出題されるので、実技試験対策にもなります。
ひたすら過去問を解いてマスターするしかないです。
2 生保と違って金融商品の特徴は覚えよう
生保の商品同様、金融商品も多種多様な商品があります。しかし、問題に出てくる代表的な金融商品の特徴は覚えておいたほうがいいでしょう。なぜなら商品の特長によって税務が異なる場合が多いので、なぜそういう課税がされるのか理解するためにはその商品の特徴を理解していると覚えやすいです。金融商品に課せられる税金はとても複雑でなかなか覚え切れません。
「投資信託」・「株式」・「債券」・「国債」等で売却(中途解約)、償還、配当金等にかかる税金にはどのようなものが課せられるのか覚える必要があります。非常に難しいですが、この論点は非常に重要なので根性で覚えてください。
3 外貨預金、金利計算等の計算問題
意外と簡単に解けそうで解けない問題が出されます。
解き方は分かっていても数字が間違っていたり、単位を合わせていなかったりと間違いが起こりやすいです。
頭で計算できる式もきちんと書き出して順序立てて計算すれば間違いを起こすリスクは減ります。あまり熱中しすぎてのめり込むと時間切れになってしまうので注意です。
4 ポートフォリオは基本問題+上位級の問題を解こう
3級ではポートフォリオの問題は基本的なものがほとんどですが、たまに計算問題も出されます。計算式は簡単ですからポイントを稼ぎましょう。2級ではポートフォリオの計算問題がよく出題されます。計算慣れするためにも2級の問題を解いておくと完璧です。
5 投資信託の問題は幅広く学習しよう
投資信託は問題の宝庫ですので、「計算問題」・「収益分配金」・「信託財産留保額」・「運用手法」・「税務」はきちんと学習しておいてください。幅広いですがそんなに難しくはありません。
6 株式に関する問題は税務関係を中心に学習
株式を譲渡した場合は他の所得と違い特別な税務処理をします。
申告方法や損益通算ができる場合とできない場合など覚えておくとポイントが稼げます。NISA口座もよく出題されます。証券税制はよく法改正されますから、試験日に対応した法令基準に注意が必要です。
7 金融分野は捨て問題を作らない
ある程度学習すれば必ず確信を持って正解を選択できるのが金融分野です。選択肢の中で間違い・正解がはっきりと分かります。頻出問題のレベルに合わせて丹念に潰していけば間違いなく満点を取れます。この分野の得点は他の分野で得点できなかった部分をカバーするためにものと割り切って満点を目指してください。学科試験もそうですが、実技試験でも合否を左右する分岐点になります。
FP試験の分野別学習法 リスク分野
FP試験の分野別学習法 リスク分野
リスク分野は比較的理解しやすいです。学習を始めるのであれば、このリスク分野か金融分野から入るといいと思います。範囲が狭いですからすぐに覚えられます。また保険問題は日頃から馴染みのあるものですから分かりやすいと思います。試験勉強と言うより向学のために学習するといいでしょう。
1 学習のメインは「自動車保険」・「自賠責保険」・「地震保険」
まずこの3つの保険の特徴を覚えましょう。どれも馴染みのある保険なのでスラスラと頭に入っていくと思います。
損害保険は覚えやすいので、ここから「傷害保険」、「火災保険」と学習を広げていくのが王道です。
2 生命保険は捨ててもいい?
できれば学習しておけばいいのですが、時間がない人は思い切って捨てるという選択もありです。生命保険は種類も多いのでそれらの商品の特徴を全てマスターするのは時間の無駄です。
生命保険で学習するのは「定期保険」・「終身保険」・「年金保険」・「養老保険」の4つです。
「えっ!これって全部じゃん」と思った方もいるでしょう。
そうなんです。生命保険はこの4つを基本として構成されているのです。
その4種類の保険から派生する様々な保険を一つ一つ覚えるのではなく、最低限この4つの保険の特徴を理解していれば大丈夫です。
3 保険商品の特徴より重要な枝葉の論点
保険商品の特徴より保険契約にかかる枝葉の論点が多く出題されます。
その代表的なものは「一部保険・超過保険」・「個人賠償責任保険」・「延長保険・払済保険」・「クーリングオフ等」・「特定疾病保障保険」・「リビング・ニーズ特約・がん保険」などです。保険商品の特徴はせいぜい出題されても2問くらいです。それよりも保険契約の独特なものが上記の論点です。この論点を抑えればほぼリスク分野はカバーできます。
4 生命保険の問題は学科よりも実技で出題されやすい
2で生命保険は捨ててもいいと言っておきながら矛盾しているかもしれませんが、学科よりも実技試験で出題される傾向があります。保険契約の解約返戻金と一時所得と絡めて出題されたり、保険契約内容の細かい部分を問うものも出題されます。
特に保険金と税務の関係は念入りに学習しておいてください。どんな場合に課税され、どんな場合に非課税になるのか、課税となった場合の所得は何か、また相続分野でも死亡保険金の税務はよく出題されます。タックス分野や相続分野で詳しく説明しますが、保険と税務は重要な論点です。